BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「3班の筒井くんと白石さんと同じ歳でね、よく食事に行くの、同期会みたいなものかな」
「いいなぁ?後藤さんとは付き合ってはないんですか?」
「うん」
しばらくすると後藤から店の地図が送られてきた。
姫乃はロッカーで着替えると指定された店の近くのコインパーキングに車を停めた。
今日はなんとなくお酒を飲む気分ではなかった。
それに仕事終わっても会えますなんて太志さんに言った手前いつ連絡がきても車でかけつけれるようになんて考えてしまっていたのだ。
そうだ化粧直しをしてなかった。
車の中で油をおさえてファンデーションを塗り直す。
口紅を塗ると昼間の事を思い出した。
自分からキスをおねだりしたのなんて初めてかも。
ここまで会いたいって思うのはやっぱり好きなんだよね。
太志さんはもしかしたら身体が目的かも知れないけど今は会えるだけでいい…
待ち合わせ時間になったので車から降りて後藤の待つ居酒屋へ行った。
「やっほー、姫乃」
「満里絵、早かったね」
席には後藤と満里絵の2人がいた。
「今日は早く終わったんだー」
「筒井くんは?」
「ちょっと残業してる、今日は違うグループだったの」