BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

1時間後には座っている太志にぴったりひっついている姫乃がいた。

煙草OKの部屋を選んでいた太志は姫乃の長い髪を触りながら煙草をふかしていた。

パッツンの前髪もちょんちょんと時々触ってくれる。

「太志さんて優しく触ってくれますね」

「そりゃ着物を大事に扱うようにだな……いや姫乃を抱く時はちょっと強引だよな」

「え、好き」

ぎゅっと太志さんに抱きついた。

「それならいいが(笑)」

トントンと煙草の灰を落とす手もかっこいい。

「昼も夜も会えるなんて思ってなかったです」

「やっぱり姫乃を抱きたいと思ったからな、急いで仕事を終わらせた」

なんとなく私も思って食事に誘われたけどお酒は止めておこうって思ったんですよねーと話すと

「食事って男?」

「この間の同僚です、あっ、2人じゃないですよ」

今年に入ってからよく4人で食事に行くんですよねと話すと、それは姫乃の事を気になってるんじゃないのか?と言われた。

「えー、でもそういう話は出たことはなくて……」

煙草を終えると太志は冷蔵庫からビールを出して飲み始めた。

あぁ、キス出来なくなっちゃったと姫乃はじーっと太志さんを見ている。

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