BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜

立ったり座ったりの時には気をつけなきゃ…

午後から姫乃は班長と一緒に課長に呼ばれた。

「『宮乃』さんから振袖の新作が出来たと連絡があった、2人で予定を合わせて今年は3着選んできてくれ」

「はい」

「あの、私ですか?」

姫乃は聞き直した。

「そうだ、もう3年目、経験も必要だ」

まだ3年目なんだけどなぁ…

班長の席で2人の休みと仕事の都合を考えると日曜日の午前中ということになった。

班長が電話を入れておいてくれるということで班のボードに姫乃は予定を書きこんだ。

予定を書いておかないと撮影日に人が足りなかったら大変な事になる。

姫乃は自分のスマホのスケジュールにも打ち込んだ。

「田辺さん」

「はーい」

「遅くなったけど1班で田辺さんの歓迎会をしようかって話なんだけど都合がいい日と何か食べたい物を教えてくれない?」

「歓迎会ですかー」

「うん、後藤くんがしようかって」

「後藤さんが……それならやっぱり次の日が休みの月曜日がいいですね」

まあそうなるよね。

「あと、私、お寿司が大好きなんでお寿司がいいです」

「お寿司ね、わかった伝えておくね」

「お願いします」

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