BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
似合う?
日曜日の朝、姫乃は前髪パッツンにサラサラの髪の毛を後ろでしっかりと1つに束ねた。
サイドの髪の毛もしっかりと結んだ。
今日は朝から雨が降っていたから着物を濡らさないようにしなきゃなぁ…
会社に着くと「あっ」車が空いてるのがあるか確認するの忘れてた。
前日が休みだった事もあったが誰かに連絡をしておかなければいけなかったと早速反省。
ホワイトボードの配車の所を見るとうちの1班は空いてなかった。
「おーす」
「後藤くん、おはよう」
「今日、外ロケ中止だ」
「中止?」
「今日は2班の手伝いで海だったんだよ、でもこの雨だろ?お客様がやっぱり海がいいらしくて、今前田さんが日程の調整をしなおしてる」
「もしかして車は空く?」
「空くよといっても俺は鍵を持ってないから前田さんにもらうといいよ」
「ありがとう、助かる」
「今日、外?」
後藤はボードを見た。
「え、もしかして買い付け?」
「そうなの、緊張するー」
「頑張れよ」
「うん、じゃあ」
姫乃は前田さんに事情を話して車の鍵をもらった。
10時になると田辺さんを前田さんにお願いして姫乃は班長と『宮乃』に向かった。
「西さんは『宮乃』に行ったことはある?」
「ないんです」
「自分の20歳の時はどうだったの?」