BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「それなら昨日言っておいてくれたら車で来なかったのに」
「呑むなら車で来ないかなと思ったんだよ」
「迷ったけど1度帰ってもいいし、月極めだから置いて帰ってもいいかなって」
「悪いな……えっと何かさ今日いつもと雰囲気違くね?」
「そう?スカートだからかな」
「化粧変えた?」
後藤くんて気づく人なんだ…
「あー、口紅はいつもとは違う」
「いいと…思う」
「あ、ありがとう」
後藤くんが何か照れるとこっちまで思わず照れちゃった。
駅につくとお店へ向かった。
「ただいま」
「こんばんは」
「おー、基哉やっと帰ったか」
「うん、あっ、同僚の西さん、幹事やってもらう」
「お願いします」
「いやー、べっぴんさんだね、よろしく」
べっぴんさんなんて最近聞かないな、面白いお父さんと姫乃はニコッと笑った。
「握り寿司用の酢飯を合わしたから冷ましてくれよ」
「わかった」
後藤は荷物を置くと手を洗い手伝い始めた。
集合時間まであと1時間だ。
姫乃は今日使うお座敷に入ると、座布団も取り皿も準備されていた。
何かすることはないのかな…
「何かお手伝いする事はないですか?」
姫乃は声をかけてみる。