BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「優しい……」
会えないって言ってたのに会えるようになる嬉しさがますます太志さんを好きになっていく……
それからは連絡が来ても大丈夫なように姫乃はずっとスマホを手にしていた。
カラオケが終わり店の前に集まっている。
姫乃はスマホを開いてみるとまだ連絡はきていない。
「西、これからどうする?まだ呑みに行く?」
「あっ、私これから用事がある、ごめん」
「こんな遅くから用事?」
「うん」
そろそろ来ないかな〜と姫乃はキョロキョロ探している。
用事ってもう11時半だぞ?
そんな用事って……
後藤は姫乃を見ていた。
すると姫乃の顔はニコッとなり「私、失礼します」と小走りで行ってしまった。
なんだよ、今のは……
後藤は姫乃の走っていった方向を見ていると、小さな姫乃の頭の先が見えるかどうかのところで前から背の高い男が姫乃の前で止まる。
「誰だ、あいつ……」
姫乃の方が手を回して密着していた。
男の方は肩に手を置き2人は歩いて行った。
「彼氏いねぇって言ってたじゃん…」
「あれ。西さんは?」
田辺が探しに来た。
「どっかの男と消えた」
「えー、ウソォ、どんな人でしたか?」
「遠かったからな、身長がすげぇ高かった、あと髪の毛は長めかな」
ふーんと田辺さんは言っていた。