BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「慣れろ、じゃないと会わない」
「はい」
「あと、仕事じゃない時は敬語はもう使わなくてもいい」
「はい、あっ、うん……いいの?」
「あぁ、最初から馴れ馴れしいのは嫌だけどもうな……身体の関係があるからいいだろ」
「うん、でも、『はい!』は無意識に出ちゃうかもだからそれは許して欲しい」
「わかった(笑)」
「この車、新車の匂いがするね」
「俺、県外に修行でいてこっちに帰る時に売って帰ったんだよ、で、こっちで買い直したからな、まだ納車したばっか」
「かっこいい」
あっという間に姫乃の家に着いた。
「あれ?車は?」
「本当は1度帰ってから行く予定だったんだけど帰れなかったから置いてきた、月極めだから大丈夫」
「そっか」
姫乃の借りてる駐車場に車を停めると部屋にあがる。
「狭いけどどうぞ、どこでも座ってください」
入り口は頭を少し下げて入った。
「意外と広いよな」
太志は初めて来た部屋にキョロキョロしていた。
「大学の時に借りていた部屋よりは広いところに住みたくて、仕事頑張ろって、あまり贅沢は出来ないですけどね」
「1Kとかじゃないもんな」
「2DKです、大学の時、キッチンが使いづらくてダイニングキッチンが独立した部屋がよかったんですよ」
料理するの意外と好きなんで…と話した。