BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
泊まり?
太志さんは起き上がった。
「今はそういう気分だな、迷惑?」
「全然」
姫乃はバスタオルを巻くと冷蔵庫から2本の缶ビールを出してきた。
「はい」
「ん、サンキュ」
プシュっと開けて軽く缶ビールを合わせ乾杯をした。
「姫乃の酔いは覚めてるか?」
「うん」
じゃあと太志は話し出した。
「俺は基本朝メシはいらない、起きてすぐは食えねぇ」
「はい」
「あと……7時に起こして欲しい、朝が弱い」
「朝が弱い……了解!」
姫乃はスマホの目覚ましを入れた。
2人はあっという間にビールを飲み干し、350mlの空の缶を姫乃はキッチンに持っていくと奥の部屋から下着とTシャツを着て太志さんの隣に横になった。
太志さんは腕枕をしてくれて、姫乃のほっぺたをまた軽くつまむ。
どこかに触れるのが気持ちいいんだろうか…
太志さんをチラッと見るともう眠っていた。
7時前に目が覚めた姫乃はタイマーを切り服に着替えた。
7時になるとベッドの端に姫乃は座ると太志は緩やかなギターの音で目が覚めた。
目をゆっくり開けると姫乃は隣にはいなくて足元に座っている。
「姫乃?」
姫乃は振り向くとアコースティックギターを優しく弾いていたのだ。
「え?」
「どう?ギターで目覚めるのは初めてでしょ(笑)」