BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
太志は手で髪の毛をかきあげた。
「姫乃が弾いてた?」
「もちろん」
じゃらーんと音を出す。
「姫乃、かっけぇな」
「ありがとう(笑)」
「防音、姫乃にも必要じゃんか」
「まあね、気が向いた時に弾くだけだよ、卒業してからあんまり弾いてない」
「バンドやってたのか」
「うん、助っ人だけどね」
姫乃はギターを奥に片付けにいった。
「俺、ギターで起きたの初めてだわ〜」
太志は顔を洗いに行った。
「タオル借りる」
と太志の声がした。
「どうぞ〜」
部屋に戻ってくると長めの髪を軽くゴムで結んでいた。
「朝弱いからタイマーで無理やり起きるとしんどくてさ…久しぶりにストレスフリーで目覚めたわ、サンキューな」
「よかった」
「寝付きもよかったし」
「うん、すぐに寝てたね」
太志は服を着ると姫乃の家から出た。
仕事終わったら連絡すると言って……
太志がいなくなるとシャワーを浴びて洗濯、掃除、シーツも洗った。
あっという間に昼が過ぎていた。
買い物行こうかなぁ…
太志さんに必要な物を揃えたいと思ったが太志さんはそういうつもりじゃないのかもしれない…
そういうのは重くて嫌がられそうだし、ビールとかお水の補充くらいにしようかな
あと自分用の歯ブラシを買っておいてあくまで太志さんのじゃないように…とか色々考えるのも楽しい。