BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
いつも何か考えていたのは仕事の資格の事だったのかな?
口下手なのにちゃんと話してくれた。
海にやってきて車を停めて降りた。
周りには何組かのカップルや友達同士の人もいる。
風が強くて少し肌寒かった。
姫乃が腕をさすっていると太志は姫乃の後ろに周り後ろから抱きしめてくれた。
「寒い?」
「少しね(笑)ありがとう」
それからは2人とも言葉はなかった。
何分経ったんだろう……
しばらく抱きしめてくれると風邪ひくといけないから車に戻ろうと太志さんに言われた。
時間が経つにつれて太志さんの口数が少なくなっていく。
姫乃は嫌な予感しかしなかった。
会った時に話をしたいと言った事が引っかかっていた。
「…俺…1級取るまでは彼女を作らないって決めてて…」
あっ、それで…
「うん…」
「だけど…姫乃に出会っちまった…」
「私もね、今まで自分から誘う事なんてなかったのに、太志さんが頭から離れなくて自分でもびっくりしてる」
「俺もずっとドライな関係ばっかだったから、こんなに何回も会ったり、LINEしたり、家に行ったりとかなかったから………でも、そろそろ試験を受ける準備に入らないといけない、兄貴が帰ってきたら……」
太志さんも辛そうだけど…
「こ、これからどうしたいのかな、太志さんは」
太志はスマホをポケットからだした。