BARでエンジェルキッスをくれた貴方は老舗呉服店の御曹司でした〜カクテル言葉はあなたに見惚れて〜
「どういうことよ」
「んー、後藤くんのお父さんのお店がお鮨屋さんだった」
「そうなんだ」
「多分後藤くんが上手くしてくれてたんじゃないかな、1人1人にはお鮨は配られなかったから」
「よかったね」
「でも……私が食べれないのは田辺さんは知っていたかな」
「何でだろうね」
「まあ、もうどうでもいいかな(笑)」
「今日さ、何か感じが違うと思ったら口紅変えてんだね、どこの?綺麗な色じゃん」
姫乃は鞄から化粧ポーチを出して太志からもらった口紅を見せた。
「ディオールじゃん、姫乃ってブランド好きじゃないって言ってなかった?プチプラでいいって」
「好きじゃないというかわからないんだよね、まあこれは貰い物だから使おうかなって」
「そっか貰い物…似合ってる」
「ありがとう」
太志に貰った口紅は会う人にいいよって言われた。
素直に嬉しかった。
田辺さんには今週は『宮乃』さんはお休みだからと告げて、次の週からはまた田辺さんが洗いを渡していた。
特に何も言ってなかったから太志さんが来ていたのだろう。
会いたかったけど田辺さんが進んで準備するし、7月からは3班に行くから結局また姫乃が準備はする事にはなるんだけど。