遠い星の君

類Side

社会人になったら、誕生日なんて

ただ過ぎていく1日になると思っていた。

どうやら同期たちはお祝いしてくれるらしい。

さすがに分かっていると気まずいな。

どんな顔で行くのが正解なのか考えながら

待ち合わせ場所に行くとグループの中に彼女がいた。

「類お疲れ様~」

飲み会に最初からいるなんて珍しい。

今日はいい日になるかもしれない。

集まったメンバーからそれぞれプレゼントをもらう。

同期たちにその場ですぐ開けるようせがまれ、

開封式が始まった。

お菓子、花、コップ、順々にあけていく。

彼女と同期からのプレゼントは

風船とお菓子だった。

「風船つけて帰って、おうちに飾ってね」

満足げに笑った彼女に

「風船はこっちからか」と思った。
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