遠い星の君
ネタとして風船との写真撮影会があった。
「これ持って電車乗るのやばいくね?」
「類、誕生日なのに笑える」
「終電乗ってる人達なんて
疲れ果ててそんなの見てないよ!」
そんな掛け合いの中、彼女は少し悲しそうに笑った。
「罰ゲームみたいになっちゃってごめんね。
これ見た瞬間に類の顔が浮かんじゃって、つい」
きっとこう言ってる彼女は知らない。
俺が今、風船ってどのくらいでしぼむか、
しぼまない方法はないのか考えていることを。
家に帰ってお菓子の入っていた紙袋から
小さなメッセージカードがでてきた。
「お誕生日おめでとう
類にとって幸せな1年になりますように!
ヨシカワ」
横に書かれた変なウサギのイラストも含めて、
ほんと、
「こーゆーところなんだよなあ」