遠い星の君

大人になっても自分の特性が変わることはなく、

また今日も遠い星の彼に思いを寄せていた。

学生の頃は、教室という強制された場所で

ある程度いろんな種族と関わる機会があった。

だからこそ違う星の同士のカップルも少しいた。

年を取るにつれて、違う星の人と関わることは減って

ゆき、人々は同じ星の人とより仲良くなる。

気を使いすぎるコミュニティからは抜けて、 

価値観の違いというストレスを感じずに

気楽に過ごせる空間に身を置く。

私もその1人で、貴重な交流などなく無難に大学、

就活、卒論を終え、社会人になっていた。

会社員になって久しぶりの多文化交流の場は

1年目の新人研修だった。

たまたま同じ年に入った同期たちと

数か月間地方で共同生活を送る。

今思えばとても輝かしい時間だったかもしれない。
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