遠い星の君


類Side


どうやら彼女が休職しているらしい。

誰1人として詳細を知る人はいなかった。

仕事に手を抜きたくないタイプだった彼女は

転職活動のために休職するとは思えない。

だからこそ、あの明るいムードメーカーには

休まざるを得ない理由があったのだと誰もが思った。

年末にあった飲み会は、なんとなく、

彼女と会うと平凡な毎日の調子が狂いそうで行かなかった。

心の奥底で固まっているはずの何かが

溶け出してきてしまう気がして怖かった。


「会っとけばよかったな」

後悔しても遅いけど、それが後悔というものだ。

彼女は元気にしているのだろうか。
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