遠い星の君

番外編 芝と類

(1年目 夏)

「類ってわかりやすいよね」

「え?何が?」

「吉川のこと気になってるだろ」

「は?」

「隠すなって、分かってるから」

 飲み会の帰り道、同期の芝(しば)に言われた。

「類って普段人に関心なさそうなのに、

 飲み会の時に吉川のこと見てる気がする」

「気になってるっていうか、

 変な人だなと思って見てるだげ」

「目で追っちゃうってことは

 気になってるってことなんじゃないの」

「そういうもん?」

「遠くからでも見つけてしまうとか、

 なんとなく考えちゃうとか、それが恋なんじゃない?

 あいつ良いヤツだけど鈍感そうだから頑張れ」

人ごみにいても見つけられるけど、休みの日に考えたこともあるけど、

この感情は恋なのだろうか。

「恋愛したことないから分からん」

「……まあ頻繁にイベントやるから

 その間にちゃんと仲良くなれよ?

 そしたらその気持ちが何かわかるかもよ」

「芝……お前マジでいいやつだな」

「俺、類と吉川は結構お似合いだと思うんだよね~」

どこが?と思いながら笑った。

あんな賑やかな人と俺が合うわけないけど。

味方がいるのは心強い。
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