遠い星の君
近づく星たち
彼女のお願い
類Side
「どうも」
久しぶりに話した彼女は元気そうだった。
「そろそろ類のお誕生日だよね。
お誕生日おめでとうございます。
素敵な1年を過ごしてくださいね」
「どうも、ありがとうございます」
「ちなみに今年の誕生日の予定は?」
いたずらっぽく聞かれた。
「ゲームしてます」
「そうじゃなくて、あるじゃん、
夜景の見えるレストランでディナーとかさ」
「そういうの女子が好きなだけじゃない?」
「ネットで調べたらまず出てくるくない?」
「女子と出かけることないからわからん」
「私も行ったことないからわかんないけど」
どっちも分かってないじゃんって、笑い合った。
会社に入っていつも通り席に着く。
仕事が始まる前のルーティンをこなしながら
朝の会話を思い出して笑ってしまった。
「今日は朝から機嫌良さそうだね」
先輩に言われてちょっと恥ずかしくなる。