遠い星の君

類Side


「朝一緒に行けなかった」

「捕まったって顔してたね」

「同期が嫌いとかではないけど

 やっぱ類と話したかったな~って」

……無自覚発言でた。

仮でも好きな人なはずだから

正しい対応なのか??

「今話せてるよ、おめでとう」

「うん!ありがとう!」

好感持ってそうな感じなのに

何も誘われないのはなぜなのか。

「ご飯とか全然誘ってこないね」

「へ?」

やばい、言ってしまった。

「前に言ってたから」

「あ、その、」

彼女が突然慌てだす。

「……別にいいんだけどさ」

「その、違くて、

 類の時間奪うことになるなって思ったら

 そこまでしていいのかなって」

本当にこの人は鈍くてお人よしだ。

「何それ」

「類は優しいから、気遣うかなと」

「優しくないし、嫌だったら断るよ」

「あとはいいお店?とか全然知らなくて

 類の好き嫌いも分からないし

 誘うにも実力不足で……」

忘れていたが彼女はこういう人だった。

悩んでいた自分がバカみたいだ。

「……今度映画でも行ってみる?」

「え?いいの?」

「よくなかったら言わない」

「よろしくお願いいたします」

「何で敬語なの」
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