遠い星の君
「私ねバレてると思うけどエセ理系なんだよね。
昔から勉強できないし、
高校生の頃なんてもっとすごくて。
今私が当時に戻っても、将来を決める決断なんて
到底できなかったと思うの。
だからね、類みたいに高卒の子達はみんな
カッコいいなって思ってるよ。類、頭いいし!」
同期に「お前確かにバカそう」と笑われた。
チラッと見た彼も笑っている姿をみて安心した。
「同じ会社に同じ年で入ったんだから、どんなに
年上でも、もう皆同い年みたいなもんだよ。
何か言いたいことあったら、言っていいし、
言いにくかったら私から言うから言ってね」
彼の生きていく世界を応援したい、
純粋な気持ちがいつの間にか芽生えていた。