遠い星の君

はんぶんこ



類Side

帰り道に彼女に会ったがいつもより焦って見えた。

「どした」

「あ、類!今日寄りたいとこあって、途中で消えるね」

「どこ?」

「コンビニ限定スイーツ買いたくて」

どうやら昨日テレビの特集を見て食べたくなったらしい。

「商業戦略にはまってるね」

「単純すぎるって分かってるんだけどね」

「コンビニまでプレゼンしてよ」

「え?」

「気になる」

別にそこまで興味があったわけではないけど

あまりにも彼女の勢いがすごかったから。

スイーツの細かい情報を教えてくれる顔は

いつも以上に真剣で笑ってしまう。

「あ、ごめん。語りすぎて引いた?」

「いや、すごい熱意だなと思って」

「甘いもの大好きなの、和菓子除いて」
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