遠い星の君

ケガ



充希Side

年々体は衰えていくものだと

足を怪我してみて感じる。

地下鉄の長い階段の前で大きな荷物を持った

年配の女性の方がいたから声をかけた。

ちょうど真ん中あたりで、足をくじいてしまったが、

女性に心配をかけたくないと、我慢してしまった。

痛い足をかばいながら歩いていたら

反対側の足もだんだん痛くなってきてしまった。

まさに、負の無限ループ。

普通の人よりも歩くスピードが遅くなってしまう。

類と話したいけど、歩くの遅いと迷惑だし、

しばらくは一緒に行けないな……。

退職までの時間は減っていくばかりなのに

自分のせいで勿体ない。

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