遠い星の君



類Side

別に人に関心がないわけではない。

自分から関わって引かれるくらいなら

自分のことを必要としてくれる人と

一緒にいればいいと思っているだけだ。

自分に話しかけてくれた勇者を大事にする。それだけ。

「割とコンプレックス」

「え、ごめん、そんなつもりじゃない」

「別にいいけど」

「類は自分が思ってる以上にとっても優しい人だよ。

 私は何度も類の優しさに救われてる」

「大げさ」

「本当だよ。あとね、めちゃくちゃ安心する」

「なにそれ」

「類の優しい笑顔とか、落ち着いた態度とか、

 まとってる雰囲気っていうのかな、安心するの。

 だから類の周りに人が集まってくるのかなって」
< 70 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop