遠い星の君
退職まであと2か月。
きっとデートはこれが最後だから
精一杯楽しんで素敵な思い出にしよう。
行くのは郊外にある国立公園だった。
今っぽく商業施設やカフェがあり、
困っても時間もつぶせそうなところだ。
『ピクニック形式はありですか?』
『具体例をあげてください』
『レジャーシートひいてゴロゴロする』
『いいよ』
海外の映画のように、木の下にラグを引いて、
お弁当を食べたり、読書をしたり。
マイペースに過ごすカップルに憧れがあった。
『ずっとお外だからあったかくしてきてね』
『お母さんみたい』