遠い星の君
類Side
「行きましょう」
滑るように口から言葉が漏れていた。
嫌がられていたらどうしようかと思ったが、
彼女は驚いた顔をしていた。
良かった、嫌ではなさそう。
そこからは半ば強引に決めてしまった。
『デート 初回』
『気になる人 公園 デート』
そんな検索ワードをここ数日で何回打ったことか。
スマホの履歴もびっくりするぐらい
今まで聞いたことない言葉で溢れかえっている。
きっとテーマパークや観光地だったら
誘うことに少し抵抗があったと思う。
彼女の趣味が少し大人びていたおかげで
騒がしいところに行かなくて済みそうだ。