遠い星の君
秋の空を見ている横顔は満足そうだ。
大きい公園だからか、あまり人も多くない。
時間がとてもゆっくり過ぎていくようだった。
自分もぼーっと大きな空を見つめる。
こんな風に空を見上げたのはいつぶりだろう。
空ってこんなに綺麗な色だったっけ。
当たり前にいつも見えている景色が
不思議といつもより色づいて見える。
「シャボン玉持ってきたんだ~」
横からご機嫌な声が聞こえてきた。
彼女が吹いたシャボン玉は風に揺られて飛んでいく。
「類もやろう?」
なぜこの人の心はこんなにも純粋に見えるのか。