遠い星の君
「お邪魔します」
類の家に入るのは、数年ぶりだった。
相変わらず物が少なくて、綺麗。
ここにいつも類がいるのか。
あの時はもう2度と来れないと思っていたけど
またこうやって入れたのは奇跡だな。
きっとこれが最後だから、目に焼き付けておかなきゃ。
「適当に荷物置いて座ってて」
「はーい」
「お茶ここ置いとくから気を付けてね」
「ありがとう」
畳んでいた上着をハンガーにかけてくれる。
荷物もまとめてくれたり、今日も優しい。
「相変わらず綺麗だね」
「まじまじと見られると緊張する」
「あ、ごめん」