キスまでの距離


長く唇を塞がれ、息が辛い。


意識が朦朧としてくる。



しかし、突然辺りに鳴り響いたキィーーーッという耳をつんざくような音で、あたしの意識は急速に浮上した。



その音に驚いたのはシンさんも同じだったらしく、すぐに唇が離された。



あたしは一体何だろうと、シンさんの肩越しに音のした方を見た。





「………ハル」




そこには、自転車に跨がったハルがいた。

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