キスまでの距離
第5話 会いたくないアイツ
1.近づく足音
お盆も過ぎ、夏休みも残り僅かとなったある日、あたしはいつものようにシンさんの車に乗っていた。
〜〜♪♪
突如着うたが流れ出し、あたしの肩がビクンと揺れた。
音を奏でているのはあたしの携帯だ。
しかし、開かなくてもわかる。
これは知らない番号からの着うただった。
「最近、携帯に出ないことが多くないか?」
「き、気のせいじゃないですか?これはたまたま知らない人からなんで……」