キスまでの距離
そんなあたしに上からクスクスという笑い声が降り懸かった。
その声のする方に視線を動かすと、ベットの上で上半身裸のシンさんが笑っていた。
「唯〜〜、寝ぼけてるのか?何度見たって唯のベットにはならないよ」
あたしは瞳をパチクリ瞬きを繰り返しながら、シンさんを見た。
―――なんで?
ここってシンさんの部屋?
あたしは昨日――……。
そこまで考えて、ようやくシンさんのベットで眠りに就いたことを思い出した。