キスまでの距離
第7話 始まりの第一歩
1.モヤモヤ
なんだかモヤモヤとした気持ちを抱えながら、学校が始まってから一週間経った。
モヤモヤは一向に治まる気配はなく、少し気持ち悪い。
こういう気持ちの名前はなんていうのだっただろう。
遠い昔に忘れてしまった気がする。
「唯ちゃん?もう放課後だよ?」
突然思考を割って入ってきた声に、顔を上げて見てみると、親友の美佐があたしの机の上に顔をのせて、あたしを覗き込んでいた。
「え、もうそんな時間!?」