キスまでの距離
あたしは慌てて荷物をまとめて、帰る支度を始めた。
クラスの違う彼女とはいつも昇降口で待ち合わせしている。
それなのにここにいるということは、迎えに来ようと思うくらい、かなりの時間待たせてしまったのだろうか。
あたしは絶対美佐と一緒に帰る。
それは5年前アイツに襲われてから、ずっと繰り返し行われていること。
美佐は可愛い。
頭の上で一つにまとめられた長い髪、大きな瞳、長い睫毛、ぷっくらとした小さな唇、白い肌、細い体。