キスまでの距離
いきなりシンさんと対面させられたあたしは、言葉が見つからず、「え……と、あの……」などと言葉にならない声を漏らしながら俯いた。
なんだかシンさんが怖い顔をしているから、顔を上げて直視することも出来ない。
どうしようと戸惑っていると、シンさんの声が真上から聞こえた。
「店長、事務所借りるから」
余りに近くで聞こえたものだから、思わず勢いよく顔を上げると、すぐそこにシンさんの顔があった。
え、いつの間に!?