キスまでの距離
驚きで金魚みたいに口をパクパクさせていると、シンさんはあたしに微笑みを向けながら、あたしの腰に腕を回した。
あ、あれ?
怒ってない?
何がなんだかわからない。それよりも―――……。
「あ、あの……シンさん?」
腰を押し付けられて、異様にシンさんに密着している。
初めてのことに、とても恥ずかしくて、上手く言葉に出来ない。
結局そのまま連れて行かれた事務所で体が離れ、あたしは安堵した。