キスまでの距離
登録した覚えのないシンさんからのメールだった。
あたしは震える手でメールを開いていく。
『さっきも言ったけど、今日から俺がおまえの彼氏だから。よろしくな。』
あたしは速攻で携帯を閉じた。
……い、今のは幻覚よ。
信じたくない思いで自分に言いきかせるが、何度携帯を見ても、シンさんからのメールの内容が変わることはなかった。
こうして、あたしの波乱に満ちた夏休みが幕を開けたのだった――……。