キスまでの距離
第2話 悪夢のエンドレスタイム
1.キスだけは
次の日、目覚めてリビングに下りて行くと、何故かシンさんが朝食を食べていた。
「な……、何してるんですか!?」
「お〜迎えにきた」
シンさんが卵焼きを食べながら、あたしの方を向いて言った。
「唯、この方が昨日送ってくれたのよ。しかも、今日は迎えにまで来てくれて。ちゃんとお礼しなさい」
台所から母が顔を覗かせて言った。
「…あ、ありがとうございます」
あたしはシンさんから一番離れた席に着きながら、怖ず怖ずとお礼を述べた。