キスまでの距離
あたしが吐いた汚物が綺麗に片付けられていたんだ。
「……シ、シンさん?あ、あれ……、どうしたんですか?」
あたしは本来汚物があるはずの場所を指差し、尋ねた。
「あぁ。近所の店にバケツと水借りて流した」
自分のモノだって汚いと思うのに、他人のモノを……?
シンさんはどうしてそんなに優しいの?
「あ、ありがとうございます!」
あたしは頭を下げた。
「お礼なんかいいから。それよりも、はい。口の中気持ち悪いだろ?ちょっと温いかもだけど、よかったら飲んで」