キスまでの距離
「ずっと男に囲まれて、怖かったんだろ?泣いていいよ。我慢せずに泣け」
―――ほら。
シンさんはあたしの気持ちを理解してくれる。
それが心地いいんだ。
あたしはずっと泣きそうになる気持ちを我慢してた。
右見ても左見ても、どこを見ても男しかいない。
それはとても不安で怖かったんだ。
地に足がついていないような恐怖感。
でも、すがれる人がいないから、頑張って自分を奮い立たせていた。
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