キスまでの距離
第3話 夏祭りはぐるぐる迷路
1.ハルの本音
そして、とうとうやってきた花火大会の日。
あたしは花火大会に行くのがどうしても嫌で、お隣りのハルの家に避難していた。
「唯、家に戻れよ。シンさんが来るんだろ?」
「やだ」
ハルのベットの上で膝を抱えながら答えた。
「ハルだって知ってるでしょ。私が人込みダメなこと」
花火大会なんて人口密度の多いところは、当然男の密度も高くなる。
「そりゃあな、昨年は花火大会で倒れたしなぁ」