キスまでの距離


何故なら、あたしがベンチから落ちそうなくらい端に座っているからだ。


「ごめんなさい、無意識だった」


あたしは少しシンさん寄りに座り直す。


「いや、それあんまり変わってないから」


座り直したのに、やはり距離は空いたままだったのだ。



「う゛……、ごめんなさい」


これ以上縮めるのはまだ無理だ。


「まぁ、いいか。同じベンチに座ってくれるだけでも進歩した方かもな」



言われて気付いた。

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