今日から悪魔を目指します!
生徒が一人一人呼ばれて、教卓の上のランプに火を灯していく。
基本中の基本なのだろう。誰もが難なくクリアしていく。
いつ自分が呼ばれるだろうかと真菜がドキドキしていると、アイリの番になった。
アイリはランプに両手をかざし、意識を集中して念じる。
(魔力を抑えて、少しだけ、少しだけ……火!)
すると次の瞬間、ランプから激しい炎の柱が一直線に天井に向かって吹き出した。
炎の勢いが凄まじいガスバーナーのような状態だ。
「あっ……やりすぎちゃった……」
アイリが慌てて両手を引っ込めると、炎も収まって消えた。
ディアは予測していたのか、それを見ても全く動じない。
アイリは目を潤ませてディアを見る。
「ディア……ごめんなさい」
「大丈夫ですよ、アイリ様。これから練習していきましょうね」
ディアは優しくアイリに笑いかけた。
その様子を見て、真菜は『先生と生徒』とは違った空気を二人に感じた。
アイリはディアを呼び捨てだし、ディアはアイリを様付けだ。
『先生と生徒』である以前に、魔王の側近と魔王の娘。主従関係なのだろう。
生徒が魔王の僕なのとは逆に、先生が生徒の僕なのだ。
でも、それだけなのだろうか……?
「では次に、コラン様、お願いします」
次にディアが名を呼んだのは、コラン。やっぱり様付けだ。
そして驚く事に、コランはランプを点火させるどころか、破裂させてしまったのだ。
机の上にはガラスの破片が散らばり、流れ出したアルコールが水溜りのように広がった。
「ディア、ごめん……」
「大丈夫ですよ、コラン様。必ず出来るようになります」
やっぱりディアはコランにも優しい言葉をかけるのだが、アイリの時とニュアンスが違う。
励ましというよりは、慰めのようにも聞こえるのだ。
コランとアイリは、魔力のコントロールが苦手なのだと分かった。
魔王の息子と娘であり、強大な魔力を持つ二人のイメージとしては意外だった。
そんな事を考えて、緊張を忘れていたら……
「では最後に、真菜さん、お願いします」
「はっ、はい…っ!?」
ついに、真菜の番が来てしまった。
基本中の基本なのだろう。誰もが難なくクリアしていく。
いつ自分が呼ばれるだろうかと真菜がドキドキしていると、アイリの番になった。
アイリはランプに両手をかざし、意識を集中して念じる。
(魔力を抑えて、少しだけ、少しだけ……火!)
すると次の瞬間、ランプから激しい炎の柱が一直線に天井に向かって吹き出した。
炎の勢いが凄まじいガスバーナーのような状態だ。
「あっ……やりすぎちゃった……」
アイリが慌てて両手を引っ込めると、炎も収まって消えた。
ディアは予測していたのか、それを見ても全く動じない。
アイリは目を潤ませてディアを見る。
「ディア……ごめんなさい」
「大丈夫ですよ、アイリ様。これから練習していきましょうね」
ディアは優しくアイリに笑いかけた。
その様子を見て、真菜は『先生と生徒』とは違った空気を二人に感じた。
アイリはディアを呼び捨てだし、ディアはアイリを様付けだ。
『先生と生徒』である以前に、魔王の側近と魔王の娘。主従関係なのだろう。
生徒が魔王の僕なのとは逆に、先生が生徒の僕なのだ。
でも、それだけなのだろうか……?
「では次に、コラン様、お願いします」
次にディアが名を呼んだのは、コラン。やっぱり様付けだ。
そして驚く事に、コランはランプを点火させるどころか、破裂させてしまったのだ。
机の上にはガラスの破片が散らばり、流れ出したアルコールが水溜りのように広がった。
「ディア、ごめん……」
「大丈夫ですよ、コラン様。必ず出来るようになります」
やっぱりディアはコランにも優しい言葉をかけるのだが、アイリの時とニュアンスが違う。
励ましというよりは、慰めのようにも聞こえるのだ。
コランとアイリは、魔力のコントロールが苦手なのだと分かった。
魔王の息子と娘であり、強大な魔力を持つ二人のイメージとしては意外だった。
そんな事を考えて、緊張を忘れていたら……
「では最後に、真菜さん、お願いします」
「はっ、はい…っ!?」
ついに、真菜の番が来てしまった。