今日から悪魔を目指します！
そうして、4人と魔王は食堂で夕食を食べた。
なぜ、魔王も一緒に食べるのか……？
メニューは相変わらず肉料理であった。

真菜が、食べ終わった食器をカウンターに持って行く。
すると、調理場の奥に人影を見付けた。
夕食を作ってくれた調理場の人にお礼を言おうと、真菜は声をかけた。

「ごちそうさまでした！ありがとうございました！」

その声に気付いた調理場の人が、カウンターの前まで出てきた。

「えっ…！？」

その人物を見た真菜は、驚いて言葉が出なかった。
白い肌に、肩にかかるくらいの栗色の髪。
その容姿は、アイリにそっくりだったのだ。
着物を着ていて、その上に白の割烹着。
アイリよりも少し大人っぽい和風の少女。

「えっと、アイリちゃんのお姉さん……ですか？」
「えっ！？ふふ、違うけど……あなたが真菜ちゃん？」
「あ、はい…春野真菜です」
「オランから真菜ちゃんの話は聞いてたのよ」
「オラン……？」

真菜は、その名をどこかで聞いた事がある気がしたが、思い出せなかった。
その時、コランが真菜の後ろから近付いてきた。

「真菜、オランって父ちゃんの名前だぜ」
「えっ！？あ、う、うん、知ってる！」

魔王がいる前で、まさか忘れていたとは言えない。
そういえば、この学校の名も『オラン学園』だった。
するとコランが、その少女に向かって衝撃の言葉を放った。

「お母さん、ごちそうさま！！今日も美味しかったぜ！！」
「え……！？お母さんって？えぇ！？」

少女は口元を手で隠しながら上品に笑っている。

「ふふ、驚かせちゃった？私はアヤメ。コランのお母さんよ」

真菜は、コランとアヤメを交互に見る。
どう見てもアヤメは高校生くらいの年齢だし、コランとも似ていない。
そういえば、コランは魔王似で、アイリは母親似だと言っていた。
魔王もそうだが、見た目が若すぎないだろうか。
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