今日から悪魔を目指します!
それから真菜とコランは、海で思い切り遊んだ。
遊び疲れて海から上がると、並んで砂浜を歩く。

「なぁ、真菜~~さっきの約束は?」
「なんだっけ?」
「ほっぺにチュー!」
「後でね」
「それ、さっきも言ったぞ!後っていつだよ~!!」

そんな二人を遠くから見守る、魔王とアヤメ。
砂浜にレジャーシートを敷いて、パラソルの下にいる。
魔王はサングラスをかけて寝転がり、アヤメに膝枕をしてもらっている。
アヤメが砂浜を見て優しく微笑んだ。

「この海に来ると、新婚旅行を思い出すなぁ……」
「あの時と比べて賑やかになったモンだな」
「ふふ、そうね。あの時、コランはお腹の中にいたのよね」
「あぁ、そうだったな」
「あの子たち、なんだか昔の私たちを見てるみたい」

アヤメは、真菜とコランの姿に自分と魔王を重ねて、昔を思い出していた。
そして、アイリとディアは……

「あっ、見てディア。この貝殻、キラキラしててきれい」
「加工すればアクセサリーが作れますよ」
「本当?すてき!これ、持って帰るね」

砂浜で貝殻拾いをする二人は、やはりカップルのようであった。


お昼には皆でバーベキューをしたり、楽しい時間を過ごした。



そして夕方、ログハウス内の個室。
水着から普段着へと着替え終わり、真菜とアイリは部屋で二人きりになった。
浜辺でもアイリとディアの仲の良さを見ていた真菜は、アイリに聞いてみた。

「ねえ、アイリちゃんとディア先生は……」

恋人なの?
そこまで言いかけて、言葉が止まってしまった。
確信はないけど、これは聞いても良いのだろうか?
そんな真菜の心に気付いたのか、アイリは寂しそうに微笑んだ。

「ディアは、お母さんの事が好きなの」
「え!?」

アイリの衝撃の告白に、真菜は言葉を失った。
だが、アイリの切ない顏を見ていると、それが真実を語っているのだと分かる。
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