今日から悪魔を目指します!
「ディアは口には出さないけど、私には分かるの。生まれた時から一緒だから……」
それは当然だ。魔王に仕える側近が、王妃が好きだなんて堂々と言えるものではない。
それならば、ディアがアイリに向ける優しい眼差しは、家族愛のようなもの?
……いや、きっと違う。
少なくとも真菜の目には、特別な愛情に見える。
昔はそうだったとしても、今のディアが好きな人は……。
アイリは瞳を潤ませて、どこか遠くを見つめた。
「人間になりたいなぁ……」
アイリが人間に憧れる理由。
それは、人間である母に近付きたいという願望なのかもしれない。
容姿は母親似でも、アイリは人間ではない。
アイリはディアの事が好きだからこそ、彼に愛されたいのだ。
しかし、真菜は思った。
魔王もディアも、王妃アヤメを好きになったのは『人間だから』という理由ではないだろうと。
「アイリちゃんは、そのままでも良いと思うよ」
「……そうかな?」
「うん。すごく可愛いし、カッコいい。もっと自信持って」
「ありがとう、真菜ちゃん」
いつもの可愛らしい笑顔で微笑むと、今度はアイリが質問してきた。
「真菜ちゃんは、お兄ちゃんの事が……」
「あ~~!!そろそろ、みんなの所へ行こう!?」
「え、真菜ちゃん、ずるい~~」
二人の恋バナは、まだまだ始まったばかり。
こうして、海での一日は終わった。
帰りも魔獣の姿のディアの背中に乗せてもらったが、今度は何事もなく学校に辿り着いた。
それから数日後。
朝、起きて着替えようとした真菜が、全身を鏡に映して立ち尽くしている。
(こ、こ、これは……!?)
鏡に映った自分の全身の肌が、小麦色になっているのだ。
悪魔特有の褐色肌とまではいかないが、近付いてはいる。
寝起きなのもあって、正常な思考が働かない。
(どうしよう、私……本当に悪魔になってきてる!!)
当然ながら、それは単なる日焼けだ。
真菜はそれから、羽根が生えてきていないか、自分の背中を確認したのであった……。
それは当然だ。魔王に仕える側近が、王妃が好きだなんて堂々と言えるものではない。
それならば、ディアがアイリに向ける優しい眼差しは、家族愛のようなもの?
……いや、きっと違う。
少なくとも真菜の目には、特別な愛情に見える。
昔はそうだったとしても、今のディアが好きな人は……。
アイリは瞳を潤ませて、どこか遠くを見つめた。
「人間になりたいなぁ……」
アイリが人間に憧れる理由。
それは、人間である母に近付きたいという願望なのかもしれない。
容姿は母親似でも、アイリは人間ではない。
アイリはディアの事が好きだからこそ、彼に愛されたいのだ。
しかし、真菜は思った。
魔王もディアも、王妃アヤメを好きになったのは『人間だから』という理由ではないだろうと。
「アイリちゃんは、そのままでも良いと思うよ」
「……そうかな?」
「うん。すごく可愛いし、カッコいい。もっと自信持って」
「ありがとう、真菜ちゃん」
いつもの可愛らしい笑顔で微笑むと、今度はアイリが質問してきた。
「真菜ちゃんは、お兄ちゃんの事が……」
「あ~~!!そろそろ、みんなの所へ行こう!?」
「え、真菜ちゃん、ずるい~~」
二人の恋バナは、まだまだ始まったばかり。
こうして、海での一日は終わった。
帰りも魔獣の姿のディアの背中に乗せてもらったが、今度は何事もなく学校に辿り着いた。
それから数日後。
朝、起きて着替えようとした真菜が、全身を鏡に映して立ち尽くしている。
(こ、こ、これは……!?)
鏡に映った自分の全身の肌が、小麦色になっているのだ。
悪魔特有の褐色肌とまではいかないが、近付いてはいる。
寝起きなのもあって、正常な思考が働かない。
(どうしよう、私……本当に悪魔になってきてる!!)
当然ながら、それは単なる日焼けだ。
真菜はそれから、羽根が生えてきていないか、自分の背中を確認したのであった……。