今日から悪魔を目指します!
真菜は、みんなの姿を見渡した後に、意を決して言う。

「私、これからも魔界の学校に通ってもいい?」

すると、みんなは一斉に笑顔になった。
特にコランとアイリは大喜びだ。

「当然じゃないか!これからもよろしくな、真菜!!」
「うん。真菜ちゃんと一緒に卒業したい」

レイトは申し訳なさそうに言う。

「さっきは変なこと言ってごめんね。これからも一緒に頑張ろう」
「レイトくん……うん、ありがとう」

そして最後は、やはり魔王が決める。

「この学校に種族の制限はねえ。オレ様が許可する!」
「オラン、すてき……」

魔王の横に寄り添っているアヤメが、惚れ惚れしている。
だが真菜は1つ、気になる事があった。

「でもコランくんは、もう人間界で一人暮らしができなくなるの?」

契約が解除されたのだから、コランはもう人間界では暮らせない。
毎日、一緒にマンションで晩ご飯を食べていたので、やっぱり寂しい。
だが魔王が、そんな不安をかき消すように笑った。

「もう、契約しなくても人間界に行けるんじゃねえか?」
「え!?父ちゃん、どういう事だよ!?」
「さっきの魔法を見ただろ?お前はもう完全に『目覚めた』んだよ」

それを聞いたコランは、ハッとしてレイトの方を向いた。

「レイト!!さっきのアレ!!さっきの道具!!」
「えっ!?あっ、うん、分かった!!」

レイトはズボンのポケットから、リストバンド型の計測器を取り出した。
そして、コランの片腕に巻き付ける。
計測器の画面に表示された数値を、レイトが読み取る。

「血圧、体力は正常……え?魔力と生命力が最大値を振り切ってる…!!」

計測が不可能なほどに、コランの魔力と生命力が強大になっていたのだ。
ここまで生命力が高ければ、人間界で暮らしても問題はない。
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