好きな人の妹とつき合う僕ってずるいですか?
1 告白

1 告白

「つき合ってほしいんだけどいいかな?」

 昼休みの校舎裏、一つ上の3年生でこの碧海学園のアイドルである磐崎京美(いわさきことみ)先輩に告白された。

 ボクが緊張と衝撃のあまり固まっていると、先輩はさらっとした綺麗なロングストレートの髪を肩に流して小首を傾げた。

「舜右(しゅんすけ)くん?」
「は、はい!」

 名前を呼ばれて再起動した。

 先輩の茶色がかった琥珀のような瞳に、ボクが映っている。

 って、てか近い!

「あ、あの、つき合うって……」
「舜右くんって、今つき合ってる彼女とかいる?」

 先輩の瞳が不安そうに揺れる。

 ボクはそれだけで胸がドキドキして破裂しそうだ。

 ってか、男子ならだれだって、京美先輩にそんな目を向けられたらそうなると思う。

 いや、人類の男ならだれだって。

 ボクは慌てて首を横にブンブン振った。頭が千切れるくらいに。

「い、いませんよそんな」
「よかった」

 先輩の目が細くなり、芸能人かよってくらい整った美貌に微笑が浮かぶ。

 ボクはそれだけでふにゃふにゃとなり、全身の力が抜けた。

いわゆる“骨抜き”ってやつだ。
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