好きな人の妹とつき合う僕ってずるいですか?
「舜右センパイの言う通りにしてたらよかったね」
「そんなこと……」
「そんなことない」とは言えなかった。「そんなことある」と思っていたからだ。
もう京美先輩の試合を見ることはできない。
応援することはできない。
先輩は、テニスは高校で最後と言っていた。大学では勉強優先らしい。将来の夢とかは教えてくれなかったけど、かなりレベルの高い大学を受けるようだ。
ボクは先輩がテニスをする姿が大好きだった。
かっこよくて綺麗で。
人がスポーツをしている姿で感動できるなんて、京美先輩を見るまで知らなかった。
それくらいの衝撃だった。
その京美先輩の勇姿を、もう見ることができないなんて。
「ほんとごめんなさい!」
いきなり苺梨の悲痛な声がしてはっと顔を上げると、目を腫らした泣き顔の苺梨が目の前に立ってこっちを見つめていた。
そしてさっと踵を返すと、閉まり始めた電車のドアへ走って行く。
「あ……」
ボクは立ち上がりかけるも、それ以上痺れて動けなくなった。
翌日の月曜日、京美先輩と苺梨は学校を休んだ。
ボクは昨日の夜、苺梨に送ったDMの返事が来るのを、その日は何度も確認した。
でも結局夜まで、返事が来ることはなかった。
傷ついた苺梨をフォローすることができなかった。
それは自分の弱さの招いた失敗だ。
ボクは苺梨に、ちゃんと謝りたかった。
あそこまで言わせてしまって何もフォローできないなんて、彼氏として最低だ。
「そんなこと……」
「そんなことない」とは言えなかった。「そんなことある」と思っていたからだ。
もう京美先輩の試合を見ることはできない。
応援することはできない。
先輩は、テニスは高校で最後と言っていた。大学では勉強優先らしい。将来の夢とかは教えてくれなかったけど、かなりレベルの高い大学を受けるようだ。
ボクは先輩がテニスをする姿が大好きだった。
かっこよくて綺麗で。
人がスポーツをしている姿で感動できるなんて、京美先輩を見るまで知らなかった。
それくらいの衝撃だった。
その京美先輩の勇姿を、もう見ることができないなんて。
「ほんとごめんなさい!」
いきなり苺梨の悲痛な声がしてはっと顔を上げると、目を腫らした泣き顔の苺梨が目の前に立ってこっちを見つめていた。
そしてさっと踵を返すと、閉まり始めた電車のドアへ走って行く。
「あ……」
ボクは立ち上がりかけるも、それ以上痺れて動けなくなった。
翌日の月曜日、京美先輩と苺梨は学校を休んだ。
ボクは昨日の夜、苺梨に送ったDMの返事が来るのを、その日は何度も確認した。
でも結局夜まで、返事が来ることはなかった。
傷ついた苺梨をフォローすることができなかった。
それは自分の弱さの招いた失敗だ。
ボクは苺梨に、ちゃんと謝りたかった。
あそこまで言わせてしまって何もフォローできないなんて、彼氏として最低だ。