好きな人の妹とつき合う僕ってずるいですか?
 日曜日、近くの駅で待ち合わせをしたボクと苺梨は、遊園地へ向かった。

 某夢の国ほど大きくはないが、こじんまりとしてアットホームな雰囲気だ。

 乗り物もさほど過激なものはなく、せいぜい子供だましなジェットコースター程度。

 絶叫系が苦手なボクにはぴったりだ。

 っていうか、苺梨がボクに合わせて選んでくれたんだと思う。

「わあ、なに乗ろうか」

 チケットを買って園内に入ると、苺梨がボクに腕を絡ませてきた。

 ボクはビクッとしてしまった。

「あ、ごめん。イヤだった?」

 苺梨は腕を放して戸惑った表情になる。

 ボクは慌てて手と首を振った。

「ううん、びっくりしただけ」
「ふふ、舜右センパイ、女の子とこうしたことなんてなさそうだもんね」
「ま、まぁ、そうだけど」
「じゃ、初体験」

 苺梨の細くて白くて柔らかい腕が絡まってくる。

 やっぱりボクは意識して固くなってしまった。

「あれ乗ろう」

 苺梨はメリーゴーランドを指さした。



 メリーゴーランド、ロケットに乗ってぐるぐる回るヤツ、空中自転車、二人乗りのゴーカートに乗ると、すでにお昼近い時間になっていた。

「はぁ楽しいね。お昼どこで食べる?」
「どこでもいいよ」
「……じゃあ、あそこ」

 苺梨はハンバーガーなどがあるファストフード店を指さした。

「うん」

 間もなく京美先輩の試合の時間だ。
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