悪魔の王女と、魔獣の側近 ~高校~
学食で調理を担当しているアヤメが、わざわざ制服に着替えて、放課後の補習を受けに来た。
一体なぜこうなったのか、アイリはこの状況を全く飲み込めない。
アイリが驚愕している間に、アヤメは平然とアイリの隣の机に座ってスタンバイOK。
普通に授業を受ける気満々である。
そこで教師のディアが、ようやく現場を仕切る。
「今日は、アイリ様とアヤメ様、お二人での補習となります。それでは始めます」
いやいや、始めますと言われても、生徒でもないアヤメが補習という時点で意味が分からない。
親子で補習を受けるという、ありえない状況。
アイリはアヤメの方を向いて、とりあえず最大の疑問をぶつける。
「え、お母さん、なんで急に高校生になったの?」
なんとも奇妙な質問になってしまったが、アヤメは何だか嬉しそうでテンション高めだ。
「私も授業を受けてみたいって、オランにお願いしたの」
「え……パパが許可したんだ……」
この学校の設立者である魔王オランの命令とあれば、ディアも従うしかない。
だからと言って、王妃が高校生のクラスに混じる訳にもいかない。
今日は体験学習として、特別に放課後の補習だけを受けに来たのだ。
というか魔王は、単にアヤメの制服姿が見たいという下心だけではないだろうか。
ちなみに魔王は、アイリのクラスの担任教師でもある。
そんな魔王の妃であるアヤメは、下心など知らずに純粋に喜んでいる。
「ふふ。私、一度、高校生になってみたかったから、嬉しい」
アヤメは16世紀の日本生まれなので、学生を経験した事がないのだ。
見た目は17歳なので、制服のブレザーを着ていても全く違和感がない。
しかし、今日は『魔法』の授業の補習なのだ。
「でも、お母さんは人間なのに、魔法を使えるの?」
「この指輪があれば、私にも使えるんだって」
アヤメは自分の左手を広げて、薬指に嵌められた『結婚指輪』をアイリに見せた。
金色の金属の輪に、赤い宝石が施されたその指輪には、魔王の魔力が込められている。
その魔力によって、アヤメの姿は永遠に17歳なのだ。
指輪の魔力をコントロールすれば、アヤメにも魔法が使えるらしい。
これで人間のアヤメも、アイリと一緒に『魔法』の授業が受けられる。
一体なぜこうなったのか、アイリはこの状況を全く飲み込めない。
アイリが驚愕している間に、アヤメは平然とアイリの隣の机に座ってスタンバイOK。
普通に授業を受ける気満々である。
そこで教師のディアが、ようやく現場を仕切る。
「今日は、アイリ様とアヤメ様、お二人での補習となります。それでは始めます」
いやいや、始めますと言われても、生徒でもないアヤメが補習という時点で意味が分からない。
親子で補習を受けるという、ありえない状況。
アイリはアヤメの方を向いて、とりあえず最大の疑問をぶつける。
「え、お母さん、なんで急に高校生になったの?」
なんとも奇妙な質問になってしまったが、アヤメは何だか嬉しそうでテンション高めだ。
「私も授業を受けてみたいって、オランにお願いしたの」
「え……パパが許可したんだ……」
この学校の設立者である魔王オランの命令とあれば、ディアも従うしかない。
だからと言って、王妃が高校生のクラスに混じる訳にもいかない。
今日は体験学習として、特別に放課後の補習だけを受けに来たのだ。
というか魔王は、単にアヤメの制服姿が見たいという下心だけではないだろうか。
ちなみに魔王は、アイリのクラスの担任教師でもある。
そんな魔王の妃であるアヤメは、下心など知らずに純粋に喜んでいる。
「ふふ。私、一度、高校生になってみたかったから、嬉しい」
アヤメは16世紀の日本生まれなので、学生を経験した事がないのだ。
見た目は17歳なので、制服のブレザーを着ていても全く違和感がない。
しかし、今日は『魔法』の授業の補習なのだ。
「でも、お母さんは人間なのに、魔法を使えるの?」
「この指輪があれば、私にも使えるんだって」
アヤメは自分の左手を広げて、薬指に嵌められた『結婚指輪』をアイリに見せた。
金色の金属の輪に、赤い宝石が施されたその指輪には、魔王の魔力が込められている。
その魔力によって、アヤメの姿は永遠に17歳なのだ。
指輪の魔力をコントロールすれば、アヤメにも魔法が使えるらしい。
これで人間のアヤメも、アイリと一緒に『魔法』の授業が受けられる。