悪魔の王女と、魔獣の側近 ~高校~
数日後、従順で真面目なディアは、魔王に言われた通りに健康診断を受けた。
そして、その結果を聞く時になって、なぜかアイリも一緒に診察室に呼ばれた。
アイリは緊張した面持ちでディアの隣に座り、女性医師が話し始めるのを待つ。
(なんで私まで呼ばれるんだろう……もしかしてディア、何か重病が見付かったの?)
そんな不安なアイリの表情とは裏腹に、医師は冷静な表情と口調で話し始めた。
「ディア様の健康状態に問題はありません」
まずは結論を伝えてから、医師はさらに衝撃の結果を付け加えた。
「ディア様の体内に、アイリ様の魔力反応が確認されました」
それを聞いた二人はすぐに理解ができずに、ただポカンとしている。
だが次に、アイリは思い出した。
(え?それ、私も前に同じ事、言われた……よね?)
アイリの中にディアの魔力反応が確認されたから、これは懐妊だと確信した。
だが、ディアからもアイリの魔力反応があるとは、一体どういう事なのか?
医師が説明を続ける。
「ディア様とアイリ様の魔力は、性質的に非常に『結合しやすい』と判明しました。これは珍しい事例です」
アイリとディアが密着する事により、お互いの魔力を吸収しあい、体内で結合して長期間、残留する。
一夜限りの添い寝でも、ディアに変身魔法をかけた試練の時も、魔力の結合は起きた。
結合する事による体への影響はないし、微弱な残留なので放置すれば消える。
だが数日間は相手の魔力を体に宿すので、検査では二人分の魔力が検出されてしまう。
アイリはその結論に、色んな意味でショックを受けて、顔を赤くしたり青くしたり忙しい。
(えっ!?じゃあ私、懐妊した訳じゃなかった……!?えぇ……恥ずかしい……!!)
思い返せば、あの時も医師は『懐妊』とはハッキリ言っていなかった。
『魔力反応』とは言ったが、『生命反応』とは言っていない。
全てはアイリの早とちりであったが、誰にも言わずにいたのが幸いした。
思えば、恋愛を封印しているディアが、添い寝でアイリに手を出すはずがない。
そもそも、そういう事が起きないようにするための封印なのだから。
恥ずかしいような、残念なようでもある複雑な心境のアイリだったが、ふと思考を切り替えた。
「でも、それって、私とディアの相性がいいって事だよね?」
ディアはそれを聞いてハッと顔を赤くしたが、医師はニッコリと微笑んだ。
「はい。数万人に一組という、珍しい事例です」
……もはや、これは運命の人としか言いようがない。
そして、その結果を聞く時になって、なぜかアイリも一緒に診察室に呼ばれた。
アイリは緊張した面持ちでディアの隣に座り、女性医師が話し始めるのを待つ。
(なんで私まで呼ばれるんだろう……もしかしてディア、何か重病が見付かったの?)
そんな不安なアイリの表情とは裏腹に、医師は冷静な表情と口調で話し始めた。
「ディア様の健康状態に問題はありません」
まずは結論を伝えてから、医師はさらに衝撃の結果を付け加えた。
「ディア様の体内に、アイリ様の魔力反応が確認されました」
それを聞いた二人はすぐに理解ができずに、ただポカンとしている。
だが次に、アイリは思い出した。
(え?それ、私も前に同じ事、言われた……よね?)
アイリの中にディアの魔力反応が確認されたから、これは懐妊だと確信した。
だが、ディアからもアイリの魔力反応があるとは、一体どういう事なのか?
医師が説明を続ける。
「ディア様とアイリ様の魔力は、性質的に非常に『結合しやすい』と判明しました。これは珍しい事例です」
アイリとディアが密着する事により、お互いの魔力を吸収しあい、体内で結合して長期間、残留する。
一夜限りの添い寝でも、ディアに変身魔法をかけた試練の時も、魔力の結合は起きた。
結合する事による体への影響はないし、微弱な残留なので放置すれば消える。
だが数日間は相手の魔力を体に宿すので、検査では二人分の魔力が検出されてしまう。
アイリはその結論に、色んな意味でショックを受けて、顔を赤くしたり青くしたり忙しい。
(えっ!?じゃあ私、懐妊した訳じゃなかった……!?えぇ……恥ずかしい……!!)
思い返せば、あの時も医師は『懐妊』とはハッキリ言っていなかった。
『魔力反応』とは言ったが、『生命反応』とは言っていない。
全てはアイリの早とちりであったが、誰にも言わずにいたのが幸いした。
思えば、恋愛を封印しているディアが、添い寝でアイリに手を出すはずがない。
そもそも、そういう事が起きないようにするための封印なのだから。
恥ずかしいような、残念なようでもある複雑な心境のアイリだったが、ふと思考を切り替えた。
「でも、それって、私とディアの相性がいいって事だよね?」
ディアはそれを聞いてハッと顔を赤くしたが、医師はニッコリと微笑んだ。
「はい。数万人に一組という、珍しい事例です」
……もはや、これは運命の人としか言いようがない。