悪魔の王女と、魔獣の側近
夕方頃になり、アイリは魔王の執務室へと入る。
すると魔王の机に座るコランと、横に立つ側近のレイトが、同時にアイリの方を向いた。
「アイリ、大丈夫なのか!?」
「王女、無理しない方がいいよ」
コランとレイトに心配されて、アイリは力なく微笑み返す。
「ありがとう、大丈夫。私も、しっかりしなくちゃ」
その時、コランの机の上の電話機が着信音を鳴らした。
受話器を持ち上げてからコランは1回、咳払いをする。
「コホン。あー、こちら、魔王コランだ!」
偉そうに魔王を名乗るコランの態度に、アイリとレイトは同時に吹き出してしまう。
コランに連絡をしてきた相手は、ディアを捜しに森へと向かった捜索隊の一人。
次の瞬間。その電話の内容が、状況を一変させる。
「え!?ディアが見付かったのか!?」
ハッとして、アイリはコランを見て、その会話の続きを待つ。
「中庭に運んだ!?分かった、すぐ行く!」
そう言うと、コランは乱暴に受話器を置いた。
アイリは咄嗟に駆け出し、窓から外を見下ろして中庭の様子を見る。
すると、中庭でうずくまっている、漆黒の毛並みの魔獣の巨体が見えた。
ディアは魔獣の姿のまま、ここまで運ばれたようだ。
「ディアっ!!」
アイリは窓から叫ぶと、コランよりも先に執務室から飛び出して、中庭へと向かった。
すると魔王の机に座るコランと、横に立つ側近のレイトが、同時にアイリの方を向いた。
「アイリ、大丈夫なのか!?」
「王女、無理しない方がいいよ」
コランとレイトに心配されて、アイリは力なく微笑み返す。
「ありがとう、大丈夫。私も、しっかりしなくちゃ」
その時、コランの机の上の電話機が着信音を鳴らした。
受話器を持ち上げてからコランは1回、咳払いをする。
「コホン。あー、こちら、魔王コランだ!」
偉そうに魔王を名乗るコランの態度に、アイリとレイトは同時に吹き出してしまう。
コランに連絡をしてきた相手は、ディアを捜しに森へと向かった捜索隊の一人。
次の瞬間。その電話の内容が、状況を一変させる。
「え!?ディアが見付かったのか!?」
ハッとして、アイリはコランを見て、その会話の続きを待つ。
「中庭に運んだ!?分かった、すぐ行く!」
そう言うと、コランは乱暴に受話器を置いた。
アイリは咄嗟に駆け出し、窓から外を見下ろして中庭の様子を見る。
すると、中庭でうずくまっている、漆黒の毛並みの魔獣の巨体が見えた。
ディアは魔獣の姿のまま、ここまで運ばれたようだ。
「ディアっ!!」
アイリは窓から叫ぶと、コランよりも先に執務室から飛び出して、中庭へと向かった。